【レビュー】Canon EXTENDER RF2x:利点と欠点を徹底解説

Len - レンズ -
Canon EXTENDER RF2x

エクステンダーは一種のレンズアクセサリーで、焦点距離を伸ばす役割を果たします。

この記事では、キヤノンのRF 2.0xエクステンダーについて詳しく解説します。特に、このエクステンダーが持つ利点と欠点、設計面での工夫点などに焦点を当てます。

Canon EXTENDER RF2x

EXTENDER RF 2x
レンズ構成 5群9枚、最大径×長さ φ71.2×39.3mm、質量約340g

CanonのEXTENDER RF 2xは、焦点距離を2倍に伸ばすことが可能で、特に望遠撮影をより迫力あるものにしたいと考えるユーザーには魅力的なアクセサリーです。

2020年 7月発売、市場での最安価格はおよそ7.6万円程度です。

外観

以前、キヤノン RF 1.4x エクステンダー(1.4倍のエクステンダー)をレビューした際には、素晴らしい性能であり、ぜひとも写真撮影キットに加えることをお勧めしました。

今回は、2.0xエクステンダーについてです。

物理的に被写体に近づけない場合や、焦点距離が長いレンズを持っていない場合は、2xエクステンダーの使用は合理的なように思われますが、画質の低下が気なるというレビューも目にします。

AF速度の低下はマイルド

Canon EXTENDER RF2x

スポーツ写真家や野生動物をとるフォトグラファーにとっては、より長い焦点距離が必要なケースが多く、エクステンダーを利用することが多いと思います。

一般に、エクステンダーの使用でオートフォーカス(AF)の速度は少し遅くなるとされていますが、CanonのRFマウント用の2.0倍エクステンダーは、実際に使ってみると「予想していたよりは」AF速度の低下はマイルドで、通常使用には支障はありませんでした。

高屈折低分散ガラスを採用

設計面での工夫も見逃せません。Canon EXTENDER RF2xは、高屈折低分散ガラスを採用しており、像面湾曲と倍率色収差を制御しています。また、白色の遮熱コーティングが施されているため、高負荷時の性能低下も防いでいます。

像面湾曲と倍率色収差は、レンズ設計で考慮すべき光学的な問題です。像面湾曲は、レンズが平面の被写体を撮影した際に、画像の端が焦点面から湾曲してしまい、端部がぼやけてしまう現象です。倍率色収差は、異なる色の光がレンズを通過した際に焦点距離が異なってしまうことで、色ずれが発生してしまう現象を指します。

単純な「色収差」という用語は、異なる色の光が同一平面上で焦点を結ばないことによる一般的な現象を指します。これに対して、「倍率色収差」は、ズームレンズなどで見られる問題を指し、ズームする際に異なる焦点距離で色の拡大率が変わることによって発生する色収差を意味しています。

エクステンダーの欠点

エクステンダーにはいくつかの欠点があります。

第一に、エクステンダーを利用することによるシャープネス(解像度とコントラスト)の低下が挙げられます。

簡単に言うと、エクステンダーを通すと画質が落ちるという事です。倍率色収差があると、異なる色の光が同じ焦点で結ばず、画像の色の境界がぼやけたり、細部が失われたりしてシャープネスが低下するのです。

第二に、レンズの開放絞りが制限されます。具体的には、1.4xエクステンダーでは1段、2.0xエクステンダーでは2段ぶん、絞り値が大きくなります。絞り値が大きくなると、露出時間を長くするなどの対応が必要になり、これも画質の低下を招く可能性があります。

第三に、AFの速度が遅くなることもあります。これは、エクステンダーがレンズのAF駆動速度を設計的に低下させるからです。

エクステンダーを使用すると、レンズとカメラの間に追加の光学要素が挿入されます。これにより、カメラのオートフォーカス(AF)システムが受ける光の量が減少し、結果としてAFセンサーの感度が低下します。光が減少すると、AFシステムが被写体にピントを合わせるのに必要なコントラスト情報を得るのが難しくなり、これがAFの反応速度を遅くする主な原因です。特に低照度条件下では、この影響が顕著になることがあります。

これはミラーレスカメラのシステムでも同様のことが起こり得ます。ミラーレスカメラのAFシステムも、光量に依存して正確なフォーカスを決定しますので、エクステンダーの使用はAF性能に影響を与える可能性があります。

この3点のデメリットのうち、Canon EXTENDER RF2xに関していうと、画質の低下は感じられますが、AF駆動速度の低下はあまり大きくな印象です。

重量は若干気になる

エクステンダーを装着すると、全体のサイズ、重量、コストも増加します。

Canon EXTENDER RF2xの重量は約340gあり、手に持つと「ずっしり」としています。以前レビューした1.4倍エクステンダーよりも大きく、持ち歩きには苦労するかもしれないと感じました。コンパクトではあるものの、軽いとはお世辞にも言えません

価格も可愛くない

Canon RFエクステンダーは比較的高価です。市場価格は7万円ほどで、レンズ一本を買えてしまうような価格です。

対応レンズ焦点距離/開放F値
エクステンダー RF2x装着時
RF400mm F2.8 L IS USM800mm/F5.6
RF600mm F4 L IS USM1,200mm/F8
RF600mm F11 IS STM1,200mm/F22
RF800mm F5.6 L IS USM1,600mm/F11
RF800mm F11 IS STM1,600mm/F22
RF1200mm F8 L IS USM2,400mm/F16
RF100-300mm F2.8 L IS USM200-600mm/F5.6
RF100-400mm F5.6-8 IS USM200-800mm/F11-F16
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM600-1,000mm/F11-14
※エクステンダーの利用は焦点距離300mm~500mm。

Canon EXTENDER RF2xは、RFマウントカメラ、特にRシリーズモデルの上記レンズと互換性があります。が、すべてのRFレンズが互換性があるわけではありません。

特に、Canon RF 70-200mm F2.8 L IS USM レンズはリストに含まれていない点に注意が必要です。Canon RF 70-200mm F2.8 L IS USMなどのレンズはコンパクトな設計がされているため、後玉に十分なスペースがなく、エクステンダーに対応できないようです。

作例

Canon EXTENDER RF2x

100-500mmにエクステンダーを装着して使用した結果、画質の低下はあまり感じられず、非常に使いやすいエクステンダーだと感じました。

1.4倍エクステンダーと比べると、画質の低下は大きいと言わざるを得ませんが、一般的な視点から見て大きな画質の低下ではないと思います。

100mm

エクステンダーなし、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

500mm

エクステンダーなし、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

600mm

エクステンダー + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

1000mm

エクステンダー + RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM

比較

100mm(トリミング)
1000mm

解像感は、高価な超望遠単焦点レンズに比べれば低下しますが、過去のEFマウントの2倍エクステンダーよりも確実に解像度が向上し、明瞭さや周差も少なくなるため、使いやすいと思います。全体的に高く評価できるエクステンダーであり、画質の低下は素人目にはほとんど感じられないと感じました。

まとめ

EXTENDER RF 2x
レンズ構成 5群9枚、最大径×長さ φ71.2×39.3mm、質量約340g

キヤノン RF 2.0x エクステンダーは、一長一短があります。特定のニーズに応じて、その利点と欠点を総合的に考慮することが重要です。特に、画質に厳しい要求がない場合や、物理的に被写体に近づけない場合は、このエクステンダーが有用です。設計面での工夫も多く、高い性能を発揮しますが、価格とのバランスも考慮する必要があります。

EXTENDER RF2x

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